シニア世代を教育へ
大企業のシニア世代が、研修や出向という形で地方の企業に赴任する動きが出てきていると、日経新聞で報道されました。
人数が多く、能力を発揮し切れない大企業の人材を地方で活かすという点では、良いアイデアだと思います。地方の企業にとっても経験豊かな人材を得られるのはプラスですよね。
そして同時に、こういう動きが教育に向けられないか、とも思います。
例えば高校で、企業や経済について実際に社会経験豊かな人間からの講義を受けられる時間を月に一度設ける。これだけでも高校生は普段の閉ざされた空間から外の情報を得て、次の進路について考えることができます。
次の進路や将来について、より具体的にイメージすることができるようになれば、今取り組んでいる学業についても身が入るでしょう。
大学は別として(人にもよりますが、頑張り次第であらゆる情報・経験を得ることができます。)高校というのはかなり閉鎖された空間です。
教師や環境によって価値観が固定化されたり、悪く言えば宗教化が起こる。(僕は多くの教育現場でこの宗教化が起こっていると考えています)
企業間だけでなく、企業と学校、特に高校などと連携できれば、より開かれた教育環境になっていくのではないでしょうか。
また学生だけでなく、若い社会人に対しても同様のことが言えます。
各企業はそれぞれの社風に適した人材を、研修等を通して育成しますが、会社の雰囲気や考え方によっては偏った人材が生まれてしまいます。
大企業で経験を積んだ人間が、若手社員に対して(業種や職種に関係なく)講義などを行うことができれば、若い人材がより大きな将来設計図を持って日々の仕事に取り組めるのではないでしょうか。
今や一つの会社に生涯を捧げる時代ではありません。
若手社員が、一つの会社の考え方に縛られているというのは、大きな可能性を潰すことにもなりかねない。
普段の自分の仕事とは関係のない職種の方の講義でも、これからのステージや新たな将来設計図を持つためには、大変重要な機会だと思います。
学生、社会人に関わらず、またこれらかは年齢に関わらず、誰にでも大きな可能性と選択肢がある時代です。
一つの専門的分野でも、長年の経験を積んだ方の話や考え方には、僕たちの可能性を広げる大きな価値があります。
このシニア世代の新たな活躍の場として、学生・若手社会人に対する教育現場を提供するという考え方が、是非広まればと思います。